夏の夜、沖の堤防へイカ釣りに出かけた俺と先輩。貸し切りのはずの堤防に、裸足の足音がヒタヒタと近づいてくる。先輩は「灯りを消せ!アイツらは光に寄ってくる!」と叫び、月明かりだけの闇の中、海面から這い上がったかのような濡れた人影が、無数にこちらを伺っていた…。
「入ってはいけない教室」と噂される、中学校の三階の教室。夜な夜な声が聞こえるというその部屋の鍵は、頑丈な南京錠で閉ざされていた。好奇心から近づいた私と友人。その時、カーテンの隙間から、逆さまにぶら下がった少女と目が合ってしまい…。
夜の墓地。近道をするために入った私は、背後からついてくる足音に気づく。振り返ると、首が逆に折れた女が迫ってきていた。
水泳部のプール清掃中、耳の奥から聞こえる「水音」。夜、布団に入ると再び聞こえ始めたその音は、やがて冷たい水と共に「細い、濡れた人の指」となって、私の頬を撫でる。怪談クラブが紐解く、耳の奥に潜む、水にまつわる怪異。
看護師のMさんが夜勤中、誰も使っていない怪談を使うと非常階段で不審な足音を聞く。カメラの映像には、逆さまの頭部を持つ白衣の女が這い上がってくる姿が映っていた。怪談クラブが紐解く、病院の奥に隠された、悲しき因縁の怪異。
押入れにある日記を見つけてから奇妙なことに気づいた。やがて、そのアパートには、夜中、天井から誰かが這い回る音が響き始め、最後の言葉が、私を追い詰める。
夜勤のナースステーションに、空室であるはずの303号室から電話がかかってくる。電話口の声は、息子が息をしていないと告げる女性の声。やがて、その部屋にまつわる悲しい過去が明らかになり、怪異は「助けを求める音」となって夜の病棟を彷徨う。
部活後の体育館。戸締まりを任された亜希が、倉庫から聞こえる不審な物音に声をかけると、倉庫の奥には見覚えがない扉がある。怪談クラブがお届けする、体育館で起こる怪異
都内での生活に疲れ、郊外の古民家へ引っ越した私。静かな生活のはずが、毎晩聞こえる足音と、畳に残された白い足跡に悩まされる。怪談クラブがお届けする、時を超えて住人に語りかける、古民家に潜む恐怖。
友人が盲腸で入院した大部屋での出来事。消灯後、廊下から聞こえる「ギギギ」という重い引きずり音。病室に入り込み、ベッドの横に立つ「影」。囁かれる「かわって」の声が、今も彼を追い詰める。怪談クラブがお届けする病院の怪談。