近所のイベントでもらってきた、薄いピンクのワンピースを着た人形。娘はすっかり気に入ったが、驚いたのはその会話能力だった。怪談クラブがお届けする人形の怪異
友人と温泉旅行に行った俺は、窓から鬱蒼とした森しか見えない山側の部屋に宿泊する。夜、温泉に向かうと、浴場には清掃員らしき人影が。だが、「はーい」と返事をしたのは、人間ではない異形だった。慌てて部屋に戻った俺は、窓とドアにお札を貼られ、「朝まで絶対に出るな」と告げられる。
パチンコ屋で大勝ちし、気分良くトイレに入った俺は、個室にいる「異様に背の高い男」に遭遇する。不気味な声に怯えて店を後にするが、後日、常連のオバサンから聞いた話は、さらに俺を恐怖の底に突き落とす。そして大負けした日、再び現れた男が発した言葉は…。
一人暮らしの大学生の俺は、ある日から存在しない“彼女”にまつわる奇妙な出来事に遭遇する。俺しか知らないはずのエピソードを語る彼女の声。その正体は、目が吊り上がり、青白い肌の不気味な女だった。恐怖から引っ越した俺は、その後失踪し遺体となって発見される。そして、残されたスマホには…。
まだガラケーが主流だった頃。俺はネットで「奇妙な生物」を飼育する日記を見つけた。声真似をし、目が数を増していくその生き物。ある日、サイトは更新を停止する。数年後、社会人になった俺の前に、あのサイトの生き物らしき異形が現れた。そして、俺自身の声で名前を呼ばれ…。
「入ってはいけない教室」と噂される、中学校の三階の教室。夜な夜な声が聞こえるというその部屋の鍵は、頑丈な南京錠で閉ざされていた。好奇心から近づいた私と友人。その時、カーテンの隙間から、逆さまにぶら下がった少女と目が合ってしまい…。
夏の休日、川遊びをしていた私と友人たち。ゲリラ豪雨の中、上流から流れてきた女の「助けて」という声。その女は、何度も同じ場所に現れ、ニヤニヤと笑いながら私たちを川へと誘う。
寂れた防波堤で夜釣りをしていた私。海面から聞こえる「ねぇ、見てよ」という声に誘われ、水面に浮かぶ顔を目撃する。怪談クラブが紐解く、海に潜む異形の正体と、その末路。
出張で泊まったビジネスホテル。隣室から聞こえるはずのない女性の声。その声は、すすり泣きから笑い声に変わり、やがて私の部屋のドアを叩く。
入院した祖母の病院で、間違えて降りた一つ上の階。そこは全ての電気が消え、湿った空気と重なる囁き声が響く、使われていない病棟だった。怪談クラブが紐解く、病棟に潜む、姿なき存在の恐怖。
大学に通うため、いつも寂れたバス停を利用していた私。ある夜、誰もいないはずのバス停で私を呼ぶ声がした。その声の正体とは?階段クラブがお届けするさびれたバス停の恐怖。
一人暮らしのSは、非通知の不気味な電話に悩まされる。電話口の女は「いない」と囁くが、ある日「いた」と告げ、Sの生活圏にまで迫ってくる。怪談クラブが紐解く、電話番号を辿り、少しずつ距離を縮めてくるストーカーのような怪異。