訳あり空き家のリフォームを請け負った中野。家の中から聞こえる「ぽちゃん、ぽちゃん」という不気味な水音は、押入れの奥に隠された空間から響いていた。その奥の井戸に潜む女の影と、次第に明かされる失踪の恐怖。
ヤンチャなカズキ先輩が、噂の「地蔵坂」で首の欠けた地蔵を嘲笑い、煙草を押し付けた。その夜、庭に現れた不気味な石像は、やがて6体目の「地蔵」となって彼を呪う。怪談クラブが語る、無礼を働いた者に降りかかる、古き存在の執念の物語。
中学校の旧校舎に伝わる、七限目にだけ開く「消える階段」の噂。好奇心から足を踏み入れた私は、階段の降りているつもりが登っている感覚に。そして出口がわからなくなる。
心霊写真を撮るため、廃墟を訪れた写真部の大学生。現像した写真に映っていたのは、カメラを構えているはずの自分自身の顔だった。しかし、その顔は不気味に歪み、
夜の公園に現れる、首が360度回る女「メリーゴーランドさん」。彼女の問いに答えを間違えると、首を“こっち側”にされてしまうという。怪談クラブが語る、都市に潜む異形の恐怖と、その終わらない問いかけ。
深夜の地下鉄で、異様な女の乗客と遭遇した私。顔をうつむかせ、口をパクパクと動かす女。やがて、その異形の顔が明らかになり、隣の乗客は彼女の恐るべき目的を告げる。それは、死ぬ人を「探す」行為だった。
都内での生活に疲れ、郊外の古民家へ引っ越した私。静かな生活のはずが、毎晩聞こえる足音と、畳に残された白い足跡に悩まされる。怪談クラブがお届けする、時を超えて住人に語りかける、古民家に潜む恐怖。
夜中のコンビニで、顔のない店員と遭遇した私。突然流れ始めた爆音のBGMに追い立てられるように店を飛び出すが、後日ネットで同様の目撃談が。怪談クラブが暴く、深夜のコンビニに潜む、日常を歪める恐怖。
遊び半分で始めた「コックリさん」。十円玉が友人の名前を指し、儀式は終わらない。やがて友人は人格が変わり、不登校になる。机の中から見つかった、破ったはずの紙が告げる「まだ帰っていません」の言葉。
古い日本家屋の中で“選択”を迫るという、都市伝説の女「夢子」。夢の中で彼女の質問に答えるうち、その姿は徐々に歪み、恐ろしい本性を現す。怪談クラブが語る、間違えれば二度と帰れない、夢の迷宮の恐怖。
人里離れた沢で渓流釣りをしていたKは、無音の空間で異様に巨大な怪鳥を目撃する。一度は逃げ帰るも、忘れ物を取りに戻った彼はそのまま姿を消した。怪談クラブが暴く、人を喰らう、山奥に潜む「怪鳥」の正体。
夏休み、旅行先の海沿いで「沈んだ鳥居」の存在を知る。潮が引いた時だけ姿を現すその鳥居は、無数のお札と赤い手形が不気味さを増し、足元を引っ張る何かの気配がする。それは、訪れた者を二度と帰さない、海辺に封じられた場所だった。