怪談クラブがお届けする山の守り神の怪談。登山道の入り口には、小さな社(やしろ)がある。錆びた鳥居と、古びた猿の木像が祀られていた。いつも安全を願って手を合わせてから山に入る。秋の山で遭遇した、熊よりも巨大な猿の影。それは恐怖かそれとも、山を護る神の姿だったのか。
怪談クラブがお届けする見えない家族の怪談。夜の通勤路で聞こえる笑い声。 白い塀に囲まれ、門の向こうは見えない。けれど、夕方になるといつも笑い声が聞こえる。「ハハハ……」「キャハハ!」子どもの声、大人の声、男の笑い、女の笑い。 それは温かな団らんの響きか、それともこの世のものではない声なのか。
怪談クラブがお届けする記憶の入れ替わりの怪異。私には「ゆっこ叔母さん」という叔母がいる。母の姉で、明るくて優しくて、まるで母親のように私を可愛がってくれていた。結婚はしていたが、子どもはいなかった。子どものいない叔母が探し続けた「我が子」。その正体を思い出したとき、自分が誰なのか分からなくなる。
怪談クラブがお届けする「お年玉をくれるおじさん」。親戚の中に「トシおじちゃん」と呼ばれる人がいた。独身で子ども好き、いつもニコニコしていて優しい。 しかも他の大人よりも多めにお年玉をくれるので人気者だった。優しいおじさんがくれたのは、お金ではなく冥界からの贈り物だった。
怪談クラブがお届けする、初夢にまつわる不吉なカウントダウンの物語。 その年の初夢は、人生でいちばん最高だった。一富士二鷹三茄子って言うだろ? それが全部いっぺんに出てきたんだよ。それから毎月、同じ坊さんが夢に出るようになった。その後に訪れる幸運の終わり。
怪談クラブがお届けする「初日の出の女」。年が明ける前、友人の亮と二人で初日の出を見に行くことになった。午前三時を過ぎたころ、静寂を破るように、女の声がした。「……こんばんは」最初は酔いのせいかと思ったが、確かに近くで聞こえる。彼女は、朝日が昇るその瞬間まで、俺を崖の下へと誘っていた。
怪談クラブがお届けする大晦日の妖怪譚。 年の瀬、古い家の外トイレで聞こえる「がんばれ」という声。 それは人を冷やかす妖怪か、それとも、優しい励ましか。
怪談クラブがお届けする真夏の怪異。中学生の夏休みの夜。友達と二人で、こっそり家を抜け出し公園でしゃべっていた。そのとき「カラ…コロン…」 乾いた音がして、トンネルの中から何かが転がり出てきた。それは、小さな子どもだった。深夜の公園で出会った子ども。夢に出てくるトンネルの中には、もうひとりがいる。
怪談クラブがお届けする夏の怪異。夜空に咲く花火の下、隣に座る親子。あれは、去年の夏。彼氏と一緒に花火大会へ行ったときのことです。子供を抱く隣の母親。浴衣はくすんだ灰色で、ところどころ湿って暗くなっている。その笑顔が歪んでいたのに、誰も気づかなかった。
怪談クラブがお届けする病院怪談。あの病院には裏のルールがあった。私が以前勤めていたのは、地方ではそこそこ大きい総合病院だった。手術室に入るとき、医師も看護師も必ず自分の名前を言ってから入る。手術室に入るとき、必ず「名前を言う」その理由を知っている人は、もういないのかもしれない。
怪談クラブがお届けする、封鎖された会社の倉庫に残る女の話。私がまだ二十代の頃、都内の中規模の会社で事務職をしていた。ビルの最上階には、「使っていないフロア」が一つあった。昔は会議室や部署があったらしいが、今は荷物置き場として倉庫になっている。「電気つけるの忘れちゃいました」と笑ったその人は、もうこの世にいない。
怪談クラブがお届けする、選択ひとつで運命が決まる恐怖。みなさんは「人形被害」という言葉を知っていますか?おそらくほとんどの人が初めて聞いた言葉だと思います。今からする話は私の母が体験したことです。「ぬいぐるみ」と「人形」どちらを選んでも、もう戻らない。