古びた病院のリハビリ室にある鏡。そこに映るのは、自分の姿と、背後に立つもう一人の人影だった。そして、鏡の向こうに映し出された、不気味に笑うもう一人の自分…。
深夜の帰り道、取り壊し予定の工事現場にある真っ暗なプレハブ小屋に灯りが。覗き込むと、中で4人ほどの影が異様に激しく踊っていた。やがて灯りがつき、窓に浮かび上がったのは逆さまの顔だった。
演劇部の合宿中、顧問のU先生が「一服してくる」と言って姿を消した。彼の最後のLINEには「誰だお前は」の一文。数ヶ月後、古い集合写真に写るU先生そっくりの人物と、その合宿施設にまつわる過去の因縁が明らかになる。
中学2年生のKちゃんは、放課後の旧校舎の女子トイレで、隣の個室から聞こえる「こっち、きて」という声に違和感を覚える。そして、床下から這い出てきた異様に細く白い「指」が、Kちゃんの足元に迫る。
平成初期、小学生たちが肝試しで訪れた村外れの神社。柏手の音に誘われた先に現れた異形の女。女から逃げ込んだ家で、壮絶な夜が始まる。、現代に語り継がれる異形の姿とは。
祖母の空き家で一人過ごす夜、廊下から聞こえるのは、引き伸ばされたような“母の声”。それは襖の向こうで揺れる異形の影となり、やがて私の隣に立つ。怪談クラブが紐解く、親しい声に化けて忍び寄る、身近な者の姿を歪める恐怖。
夏休みに帰省した田舎の村で、古道のお地蔵様が一つ消えていることに気づいた。その日から道は歪み、何かがおかしくなっていく。古道の伝承が紡ぐ、境界が曖昧になる物語。
ゼミで知り合ったMちゃんと、私は同じ「井戸の夢」を見ていた。覗くなという警告と、隣に立つ影の人。Mちゃんはある日井戸を覗き、別人のように変貌。怪談クラブがお届けする、夢を介して伝播する怪異。
SNSで知った山奥、地元の人も知らない「流れ滝」を訪れた四人の友人。そこは「人を流す滝」と呼ばれ、穢れを洗い流す“水神”の祠があった。滝の底に潜む本当の恐怖とは……。怪談クラブがお届けする一編。
中学1年生の夏、田舎の隣の集落で目にしたのは、無音で踊り続ける「顔のない人々」の盆踊りだった。それは、過去の悲劇から生まれた“終わらない踊り”。怪談クラブがお届けする、夏の終わりに語られる郷土の恐怖。