田舎の怪談のカテゴリ
俺の爺さんが幼い頃、田舎の村では土葬された死体が墓から這い出し、夜の山道を歩くことがあったという。村人たちはそれを「歩き土」と呼び、決して関わってはならないと戒めていた。夏祭りの夜、提灯の明かりの向こうで「帰る…」と呟きながら歩くその姿を、爺さんは見てしまう。
30年前に廃校となった小学校で、同窓会を開いた俺たち。木造の校舎で旧交を温める中、同級生の一人が「上半身だけの子供を見た」と言い出す。その直後、電気が消え、悲鳴が響き渡る。気づくと、そこにいるのは俺一人。そして、窓ガラスに映る「同級生たち」の姿を見て、俺は絶叫するが…。
子どもの頃、夏休みに友達と肝試しで地元の「鎮守の森」へ入った俺。そこで白い服を着た不気味な女の姿を目にする。必死に逃げる中、転んだ俺の耳元に囁かれた一言は…。数年後、あの森に伝わる恐ろしい言い伝えを聞き、背筋が凍りつく。
夏休み、山を越えた先に見つけたのは、懐かしくもどこか古風な村だった。親切な村人たちに招かれ、食事を勧められるが、とっさに断って帰宅。しかし祖父の口から、その村の恐ろしい正体が語られる…。
夏休み、おじいちゃんから「入ったら二度と戻れない」と聞かされていた側溝に落ちてしまった私。そこで出会った少年は、私を奥へ誘おうとする。友情が芽生えたその時、私はある違和感を覚える…。
昭和戦後間もないの山間の村。民俗学の教授が、村に伝わる「牛鬼」を封印する社を開放する。牛鬼は姿を現し、村人たちは次々と犠牲になる。教授と村人たちが力を合わせ、牛鬼を退治するが、その代償は想像を超えたものだった。
昭和の夏休み、田舎の祖父母の家で、田んぼの真ん中に立つ「白いもの」を目撃した私。その日から毎晩、家の周りを歩く音が聞こえ始める。怪談クラブが語る、古き田舎に潜む、見てはいけない「それ」の恐怖。
昭和、長野の山あいの村。道祖神を動かして新居を建てた夫婦に、夜な夜な足音と不気味な視線がつきまとう。やがて娘が「顔がつるつるの客」と話し始め、道祖神が語る古き神の報復が始まる。
平成初期、小学生たちが肝試しで訪れた村外れの神社。柏手の音に誘われた先に現れた異形の女。女から逃げ込んだ家で、壮絶な夜が始まる。、現代に語り継がれる異形の姿とは。
夏の終わりの墓地で出会った、墓石に名前を刻む奇妙な少年。「今日は、だれがくるか しらべてるの」。彼の言葉と老婆の語る戦没者の霊。そして、帰宅後に起こった位牌の異変。疑心暗鬼を産む一話。
夏の小旅行で訪れた集落の森に潜む、「眼をつけたら最後」という“神様”。姿を見られた者は一人、また一人と消え、やがて主人公の記憶と日常を侵食する。怪談クラブが語る、現代に甦る古き神の、執拗なる追跡と捕食の物語。
地図にも小さくしか載らない山間の村。そこには「夜、外を歩くときは鈴をつけろ」という奇妙な風習があった。好奇心から裏山に入り、空き家で見つけた掛け軸に描かれた異形。それが、村に隠された“神”の正体、そして鈴の音を嫌うその「神」との、命がけの一夜を呼び覚ます。