病院の元院長から、新興宗教の教祖を連れてくるよう頼まれた私。教祖との密談の後、嘘のように元気を取り戻した元院長だったが、3ヶ月後、沖で急死する。怪談クラブが語る、恐るべき契約。
空きテナントのはずの雑居ビル4階。新人営業マンが体験した奇妙な訪問、そしてSさんがエレベーターで遭遇した無言の乗客たち。窓に張り付いた無数の顔の正体とは…。
深夜、山道で迷い込んだ大学生4人組。そこに現れた廃ドライブインの窓から灯りが漏れていた。好奇心から中へ入ると、厨房から聞こえる不気味な音と、山姥のような老婆が「食っていくのかえ?」と問いかける。
中学時代に読んだ郷土誌の「首なしの死体」の記録。大人になって、その「首無川」をジョギング中に、頭部のない女の幽霊を目撃する。怪談クラブが紐解く、古くから伝わる水辺の悲劇と、その怨念の正体。
1990年代初頭、カトリック系中学校に通うMさんが突然、奇行を繰り返す。何かに取り憑かれたと判断され、三つの宗派による合同の悪魔祓いが試みられるが、それは土地に潜む古き存在だった。
昭和の夏休み、田舎の祖父母の家で、田んぼの真ん中に立つ「白いもの」を目撃した私。その日から毎晩、家の周りを歩く音が聞こえ始める。怪談クラブが語る、古き田舎に潜む、見てはいけない「それ」の恐怖。
平成6年、夜間当直の警察官である私に、ある失踪事件の通報が入る。現場のリビングは大量の血痕で染まっていたが、住人の家族の姿はない。やがて、その家がカルト宗教の拠点だったことが判明し、屋根の上にいる異形に「契約の地だ」と警告される。
一人暮らしのSは、非通知の不気味な電話に悩まされる。電話口の女は「いない」と囁くが、ある日「いた」と告げ、Sの生活圏にまで迫ってくる。怪談クラブが紐解く、電話番号を辿り、少しずつ距離を縮めてくるストーカーのような怪異。
昭和の山奥。林業の作業中、不気味な「案山子」を目撃した私と仲間たち。その夜、山小屋の周りを回る不審な足音と、木を叩く音が響き始める。それは、山に潜む古き存在の、恐るべき徘徊だった。
夜勤のナースステーションに、空室であるはずの303号室から電話がかかってくる。電話口の声は、息子が息をしていないと告げる女性の声。やがて、その部屋にまつわる悲しい過去が明らかになり、怪異は「助けを求める音」となって夜の病棟を彷徨う。
昭和の古い一軒家。高校生のS子の元に、毎晩同じ時間に無音の電話がかかってくる。やがて受話器が勝手に動き出し、母は「あんたの声で電話が鳴った」と告げる。怪談クラブが語る、電話という媒体を介して、現実と「何か」を交代させようとする恐怖。
深夜、ジョギング中に見慣れない裏道へ入った私。そこで出会った、不気味に口が裂けた白い顔の女は、私を追う。帰宅後、ランニングアプリの記録から、通ったはずのない道の存在を知る。