地元の山に山菜採りに出かけたSさん。道に迷うが、そこに現れたのは、親切に道案内をしてくれるはずの、紫色のカーディガンを着た奇妙なおばさんだった。
「本当に出る」と噂の、古びた遊園地のお化け屋敷。壁からぬるりと現れた、足のつかない黒いローブの幽霊。再入場しても何も起こらず、係員は「雨の夜だけ演出が変わる」と告げる。
病院の元院長から、新興宗教の教祖を連れてくるよう頼まれた私。教祖との密談の後、嘘のように元気を取り戻した元院長だったが、3ヶ月後、沖で急死する。怪談クラブが語る、恐るべき契約。
空きテナントのはずの雑居ビル4階。新人営業マンが体験した奇妙な訪問、そしてSさんがエレベーターで遭遇した無言の乗客たち。窓に張り付いた無数の顔の正体とは…。
昭和の古い一軒家。高校生のS子の元に、毎晩同じ時間に無音の電話がかかってくる。やがて受話器が勝手に動き出し、母は「あんたの声で電話が鳴った」と告げる。怪談クラブが語る、電話という媒体を介して、現実と「何か」を交代させようとする恐怖。
ある日、教室に座っていた「ゴラチソさん」という奇妙な新入り。その存在に違和感を覚えた友人が彼女に詰め寄った翌日、友人の姿は彼女とそっくりに変貌していた。
カルトサークルで始めた禁忌の儀式「百物語」。百話の怪談を語り終えた時、そこには消えた蝋燭と、真の恐怖が待っていた。怪談クラブが紐解く、怪談が怪異を呼ぶ、終わりのない物語。
外の河原でバーベキューをしていた仲間たち。そこに現れた三人組の男たちは、肉も酒も口にせず、やがて川に入り、冗談めかして“溺れるふり”を始める。それは、過去の事故を繰り返す、川に潜む者たちの誘いだった。
部活後の体育館。戸締まりを任された亜希が、倉庫から聞こえる不審な物音に声をかけると、倉庫の奥には見覚えがない扉がある。怪談クラブがお届けする、体育館で起こる怪異
新聞配達のアルバイトをしていた大学生が、ある日突然増えた配達先に不審な点を見つける。ポストに新聞が溜まり、窓からは白い顔が覗く。しかし、配達リストにその家は存在せず、やがてその家自体が消えてしまう。
夜中のコンビニで、顔のない店員と遭遇した私。突然流れ始めた爆音のBGMに追い立てられるように店を飛び出すが、後日ネットで同様の目撃談が。怪談クラブが暴く、深夜のコンビニに潜む、日常を歪める恐怖。
夏休み、旅行先の海沿いで「沈んだ鳥居」の存在を知る。潮が引いた時だけ姿を現すその鳥居は、無数のお札と赤い手形が不気味さを増し、足元を引っ張る何かの気配がする。それは、訪れた者を二度と帰さない、海辺に封じられた場所だった。