職場の面倒見のいい先輩。しかしその親切は、やがて私を不気味な廃墟へと誘う罠だった。背後で笑う、びしょ濡れの女の影と、それを操る先輩。怪談クラブが紐解く、善意に隠された、身代わりを求める恐怖。
母の入院中、久しぶりに実家に戻った私。そこにかかってきたのは、懐かしいはずの、だが今は亡き姉の友達からの電話だった。その声は「今から家に行っていい?」と告げ、やがて異形の姿となって玄関に現れる。
幼い頃、半年だけ住んでいた古い家。雨の日だけ、押し入れの奥から出てくる「友達」と遊んでいた。その子の正体は、親の言葉で明らかになる。怪談クラブが語る、無邪気な子供の遊びに潜む、家に隠された恐怖。
大学時代の友人・Nさんが、見知らぬ場所で「人魚」を釣ったと興奮気味に電話をかけてくる。魚のような体に人間の足、そして丸くて離れた目を持つ異形。怪談クラブが紐解く、漁の欲が招いた、海の底からの誘い。
ある日、教室に座っていた「ゴラチソさん」という奇妙な新入り。その存在に違和感を覚えた友人が彼女に詰め寄った翌日、友人の姿は彼女とそっくりに変貌していた。
心霊写真を撮るため、廃墟を訪れた写真部の大学生。現像した写真に映っていたのは、カメラを構えているはずの自分自身の顔だった。しかし、その顔は不気味に歪み、
遊び半分で始めた「コックリさん」。十円玉が友人の名前を指し、儀式は終わらない。やがて友人は人格が変わり、不登校になる。机の中から見つかった、破ったはずの紙が告げる「まだ帰っていません」の言葉。
同僚の三浦が転勤先で引っ越した家は、前住人が逃げ出した「空き家」だった。入居直後から異様な気配と夜中に廊下を這う音に苛まれる。誰もいないはずの家から感じられる不気味な視線とは。
小学五年の遠足で、バスの点呼時に人数が一人多いという奇妙な現象が起こる。帰りのバスでは、窓に映る不気味な子供の姿と目が合い、その存在は日常にまで迫る。
中学生の不良Yがバイク事故で心肺停止、そして奇跡的に蘇生。彼が語ったのは、赤黒い霧と無数の悲鳴に満ちた「地獄」の光景だった。怪談クラブが暴く、死の淵で見た地獄と、仲間たちを巻き込む不可解な「順番」の恐怖。
公園の隅に突如現れた、壁のない白いドア。開くとそこには、顔が崩れた家族が住む家が広がっていた。食事を勧められる中、友人の叫びで露わになる怪異の真実。遊びに誘い込む日常の隣に潜む、異界への扉の恐怖。
水音がしない不気味な川で、すすり泣く「何か」と遭遇したTくん。その異形は、背中にもう一つの歪んだ顔を持ち、やがて彼の生活を侵食していく。怪談クラブが暴く、悲しみを拾い集め、笑顔に「変える」川の怪異。