免許取り立ての高校時代、地元で噂される心霊スポット「蛇坂トンネル」へ肝試しに赴いた若者たち。そこは、旧日本軍の人体実験が行われたという“蛇腹村”への道だという。そこで彼らが遭遇したのは、異様な蛇の肉塊と人型が融合した「何か」だった。
コンビニの帰り道、見知らぬ女に傘を貸した同僚のN。女はNの個人情報を知り、執拗に「傘を返しにきた」と現れる。やがてNは姿を消し、私のもとには、骨組みが人の指のような傘が届く。
山奥の湖畔でのキャンプ。電波が入らないはずの古びたラジオから、突如不気味な声が聞こえ始めた。それは「山の神様がお待ちです」という、恐ろしい誘いの言葉。やがて、仲間の一人がその声に導かれ、姿を消していく。
ゼミで知り合ったMちゃんと、私は同じ「井戸の夢」を見ていた。覗くなという警告と、隣に立つ影の人。Mちゃんはある日井戸を覗き、別人のように変貌。怪談クラブがお届けする、夢を介して伝播する怪異。
SNSで知った山奥、地元の人も知らない「流れ滝」を訪れた四人の友人。そこは「人を流す滝」と呼ばれ、穢れを洗い流す“水神”の祠があった。滝の底に潜む本当の恐怖とは……。怪談クラブがお届けする一編。
大学時代の男四人旅で訪れた、人知れぬ入り江。満ち潮の夜、波の向こうから聞こえる「助けて」の声は、知る者の姿と声で誘い込む“潮声”だった。友人が海の底に消えた夜から、今も続く招きの声が、あなたの耳にも響く……。怪談クラブがお届けする、海辺にまつわる恐怖。