大学時代の友人・Nさんが、見知らぬ場所で「人魚」を釣ったと興奮気味に電話をかけてくる。魚のような体に人間の足、そして丸くて離れた目を持つ異形。怪談クラブが紐解く、漁の欲が招いた、海の底からの誘い。
平成6年、夜間当直の警察官である私に、ある失踪事件の通報が入る。現場のリビングは大量の血痕で染まっていたが、住人の家族の姿はない。やがて、その家がカルト宗教の拠点だったことが判明し、屋根の上にいる異形に「契約の地だ」と警告される。
深夜、男女4人で立ち寄った公衆トイレ。使用中の個室から覗く不気味な女の顔を、鏡越しに見てしまった。やがて、個室にチェックしようとする友人のC。怪談クラブが紐解く、鏡の中にだけ真実を映し出す、トイレに潜む怪異の恐怖。
演劇部の合宿中、顧問のU先生が「一服してくる」と言って姿を消した。彼の最後のLINEには「誰だお前は」の一文。数ヶ月後、古い集合写真に写るU先生そっくりの人物と、その合宿施設にまつわる過去の因縁が明らかになる。
昭和の地方都市に流れた噂。「駅裏の家には、家族じゃない何かが混じっている」。転校してきた無表情な少年と、その家族が抱える不気味な秘密が、やがて村に静かな恐怖をもたらす。怪談クラブが紐解く、一家の正体と、見えない「誰か」の真実。
訳あり空き家のリフォームを請け負った中野。家の中から聞こえる「ぽちゃん、ぽちゃん」という不気味な水音は、押入れの奥に隠された空間から響いていた。その奥の井戸に潜む女の影と、次第に明かされる失踪の恐怖。
キャンプで夜中にテントを叩く「誰か」。寒さを訴え、女子メンバーに似た声で「開けて」と懇願するその声に違和感を覚える。そして「ミユ」という知らない名前。朝になり、管理人の話で、そこは昔、行方不明者が出た山だと知る。
高校で囁かれる都市伝説。「18秒だけ通話すると呪われる番号」。好奇心から動画を撮りながらかけたクラスメイトのAは、不可解な現象に見舞われた後、姿を消す。彼の彼女が同じ番号にかけた時、電話の向こうから聞こえた声は…。
卒業制作で球体関節人形を制作する美大生・由佳。インスピレーションを求めて見つけた古いアルバムには、見知らぬ少女が写り込んでいた。その少女をモデルに人形を完成させた時から、怪異は始まり、やがて由佳自身もその人形に存在を乗っ取られていく。
小6の夏休み、廃校の女子トイレで肝試し。花子さんは「呼び出す」のではなく「呼ばれる」と噂される中、友人がその声に誘われる。やがて彼は奇行を繰り返し、遠い街へ。怪談クラブが暴く、廃校に潜む、遊びに誘い込む怪異の正体。
中学生の不良Yがバイク事故で心肺停止、そして奇跡的に蘇生。彼が語ったのは、赤黒い霧と無数の悲鳴に満ちた「地獄」の光景だった。怪談クラブが暴く、死の淵で見た地獄と、仲間たちを巻き込む不可解な「順番」の恐怖。
免許取り立ての高校時代、地元で噂される心霊スポット「蛇坂トンネル」へ肝試しに赴いた若者たち。そこは、旧日本軍の人体実験が行われたという“蛇腹村”への道だという。そこで彼らが遭遇したのは、異様な蛇の肉塊と人型が融合した「何か」だった。