中学校で教師をしていた俺は、ある時期から生徒たちが「家庭科室に小人を見た」と騒ぎ始めたことに半信半疑だった。だが、放課後、俺自身が家庭科室で小さな人影を目にする。それは数年前に事故死した生徒にそっくりだった。その日から、俺は家庭科室の前を通るたびに、小さな足音に怯えるようになる。
毎晩のように夢で見る、古びた和室。そこに現れたのは、青白く膨らんだ「死人になった私」だった。祖母が語る、その夢の正体。怪談クラブが紐解く、血筋を辿って現れる、死の予言と夢の呪い。
閉店間際のスーパー銭湯の露天風呂。湯船の縁に座る青白い顔の女性に、従業員と共に駆け寄るが、湯船の真ん中から顔だけが浮かび上がり、消える。怪談クラブが紐解く、深夜の銭湯に潜む、幽霊ではない「何か」の正体。
職場の面倒見のいい先輩。しかしその親切は、やがて私を不気味な廃墟へと誘う罠だった。背後で笑う、びしょ濡れの女の影と、それを操る先輩。怪談クラブが紐解く、善意に隠された、身代わりを求める恐怖。
1990年代初頭、カトリック系中学校に通うMさんが突然、奇行を繰り返す。何かに取り憑かれたと判断され、三つの宗派による合同の悪魔祓いが試みられるが、それは土地に潜む古き存在だった。
遊び半分で始めた「コックリさん」。十円玉が友人の名前を指し、儀式は終わらない。やがて友人は人格が変わり、不登校になる。机の中から見つかった、破ったはずの紙が告げる「まだ帰っていません」の言葉。
同僚の三浦が転勤先で引っ越した家は、前住人が逃げ出した「空き家」だった。入居直後から異様な気配と夜中に廊下を這う音に苛まれる。誰もいないはずの家から感じられる不気味な視線とは。
SNSを介して広がる奇妙な恐怖。同僚のTさんが「お迎えした」という、彼女に似た日本人形。数日後、Tさんは突然姿を消し、そして届く、謎のホームパーティ招待状消えた同僚の家が、今、招かれざる客を待ちわびる。怪談クラブがお届けする一編。
動画サイトで流行した呪いのおまじない「#ワタシノバン」。真夜中の鏡に向かって唱え、三つ以上の反射を見ると願いが叶うという。だが、その代償は、想像を超えるものだった。 怪談クラブがお届けする、SNSから広がる恐怖。
山奥の温泉旅館で住み込みバイトを始めた大学生。渡り廊下の先に佇む、朽ちかけた謎の建物と、そこで聞いた中居の不気味な忠告。「思い出さないこと」。怪談クラブがお届けする、旅館にまつわる恐怖。