ぬいぐるみと人形、どちらが好きか?」と問いかけ、答えた子どもの体を、ぬいぐるみや人形に変えてしまうという都市伝説の「オメロン博士」。それが、小学生の私と友達の前に、現実となって現れる。
一人旅で訪れた海沿いの町の展望台。美しい夕日を眺めていると、水平線の向こうから巨大な顔がゆっくりと近づいてくる。目を離すことができないその顔は、やがて道路脇の崖下にまで迫っていた。
入院した祖母の病院で、間違えて降りた一つ上の階。そこは全ての電気が消え、湿った空気と重なる囁き声が響く、使われていない病棟だった。怪談クラブが紐解く、病棟に潜む、姿なき存在の恐怖。
母の入院中、久しぶりに実家に戻った私。そこにかかってきたのは、懐かしいはずの、だが今は亡き姉の友達からの電話だった。その声は「今から家に行っていい?」と告げ、やがて異形の姿となって玄関に現れる。
旅行で泊まった古民家。そこで子どもたちが語った「知らない子」。やがて、天井から逆さまに覗く子供の顔と、押し入れの奥に隠されたお札、そして現れた遺体。怪談クラブが紐解く、古民家に潜む、家族の影と、隠された過去の悲劇。
深夜、高速道路の長いトンネルの手前で、ぼんやりと白い親子の影を目撃した私。その場所には、かつて事故で亡くなった家族の言い伝えが残されていた。やがて、その家族は私に迫り、目を合わせた恐怖の夜が始まる。
数年前、海鮮が絶品でオーナー夫婦も温かい民宿を再訪した私。だが、そこにいたのは、別人の夫婦と濁った海。そして、夜には手足が伸びきり、バッタのように奇妙な動きをする宿泊客たちが現れる。
夏の旅行で泊まった廃墟のようなペンション。開いたままの部屋には、真新しい布団と、中に眠る「誰か」。翌朝、その部屋は消え、ペンション自体も荒廃した廃墟に。怪談クラブが紐解く、泊まった者を二度と帰さない、時間の歪んだペンションの謎。
中学時代、肝試しで訪れた「通ってはいけない赤い橋」。橋の真ん中で友人Yが女の声で名前を呼ばれ、その後彼は溺死体で発見された。怪談クラブが紐解く、赤い橋に潜む、悲劇の女の正体と、その呪い。
看護師のMさんが夜勤中、誰も使っていない怪談を使うと非常階段で不審な足音を聞く。カメラの映像には、逆さまの頭部を持つ白衣の女が這い上がってくる姿が映っていた。怪談クラブが紐解く、病院の奥に隠された、悲しき因縁の怪異。
張帰り、深夜の山道で廃線となったはずの踏切が鳴り響く。霧の中から現れたのは、音もなく浮遊する古い列車。それは、かつて事故で行方不明になった終電の幽霊だった。
深夜、コンビニでアルバイトをしていた私。バックヤードの奥から聞こえる不審な音を辿ると、冷蔵庫の下から黒く細い指が出てきた。レジの柱の鏡に映ったのは、首を傾けこちらを見る女の姿。