夜間外来の受付に現れた、付き添いの女性。彼女がトイレへ向かったきり戻ってこないことを不審に思った私は、その廊下が工事で閉鎖されていることを知る。やがて、その廊下の奥に立つ女性の姿が鏡に映り込み始める。
中学時代に読んだ郷土誌の「首なしの死体」の記録。大人になって、その「首無川」をジョギング中に、頭部のない女の幽霊を目撃する。怪談クラブが紐解く、古くから伝わる水辺の悲劇と、その怨念の正体。
夜勤のナースステーションに、空室であるはずの303号室から電話がかかってくる。電話口の声は、息子が息をしていないと告げる女性の声。やがて、その部屋にまつわる悲しい過去が明らかになり、怪異は「助けを求める音」となって夜の病棟を彷徨う。
部活の合宿で訪れた合宿施設。職員から「入るな」と警告された203号室に、何者かが忍び込む。そこで見た、集合写真に写り込む同じ顔の女子生徒。その日から、彼女は姿なき存在に監視され始める。
豪雨の夜、避難所で臨時スタッフをしていた私。入口のガラス扉の前に、びしょ濡れの女が立っていた。彼女は水に溶けるように消え去ったが、その正体は水害で亡くなった母親の霊だという。
夏休み、一人で風景写真を撮るため山奥の森へ入ったミオ。古びた鳥居を見つけシャッターを切った瞬間から、道はねじれ、同じ場所をループし始める。そして、自分そっくりの木彫りの像と、木の上から覗く顔だけの異形。
夜道を歩くK。街灯の下、自分の影が数歩先を歩いていることに気づく。立ち止まっても、影は遅れて真似るように動く。そして、玄関で耳元に囁かれた「踏まれたら、交代ね」。日常に潜む、遊びに化けた異形の追跡が始まる。
地図にも小さくしか載らない山間の村。そこには「夜、外を歩くときは鈴をつけろ」という奇妙な風習があった。好奇心から裏山に入り、空き家で見つけた掛け軸に描かれた異形。それが、村に隠された“神”の正体、そして鈴の音を嫌うその「神」との、命がけの一夜を呼び覚ます。
山奥の湖畔でのキャンプ。電波が入らないはずの古びたラジオから、突如不気味な声が聞こえ始めた。それは「山の神様がお待ちです」という、恐ろしい誘いの言葉。やがて、仲間の一人がその声に導かれ、姿を消していく。
小学生の夏休み、一人で留守番する団地の部屋。砂嵐のテレビから響く奇妙な声、公園の砂場で蠢く異形。そして夜中、インターホンに映った「福笑い」のような顔の女。怪談クラブがお届けする、日常空間が歪み、侵食される恐怖。
小学生の時、引っ越し先で見つけた奇妙な路地。初めて歩くはずなのに、胸がざわつくほど懐かしいその道の先にあったのは、人影のない昭和の横丁だった。異界への招き、怪談クラブがお届けする終わらない恐怖。
夜道に現れる、頭部がすり鉢状に歪む異形「すり鉢さま」。その名を知る者が口にした時、その“名”の主に何かが起こるという。ネットには記録のない、しかし確実に存在する奇妙な存在が、今夜もあなたの背後から迫る…。怪談クラブがお届けする、知られざる怪異。