友人と温泉旅行に行った俺は、窓から鬱蒼とした森しか見えない山側の部屋に宿泊する。夜、温泉に向かうと、浴場には清掃員らしき人影が。だが、「はーい」と返事をしたのは、人間ではない異形だった。慌てて部屋に戻った俺は、窓とドアにお札を貼られ、「朝まで絶対に出るな」と告げられる。
俺の親父も爺さんも漁師で、物心ついた時からずっと海と生きてきた。海で亡くなった人を見つけた時は、陸に上げて供養するのが漁師の務めだ。ある日、網にかかった水死体を揚げていると、その下からもう一つの異様な影がついてきて…。
子どもの頃、夏休みに友達と肝試しで地元の「鎮守の森」へ入った俺。そこで白い服を着た不気味な女の姿を目にする。必死に逃げる中、転んだ俺の耳元に囁かれた一言は…。数年後、あの森に伝わる恐ろしい言い伝えを聞き、背筋が凍りつく。
林間学校の夜、友人の声に呼ばれて森に入った私。しかし、そこにいたのは友人の姿を借りた、口が裂けた木の顔だった。
入院した祖母の病院で、間違えて降りた一つ上の階。そこは全ての電気が消え、湿った空気と重なる囁き声が響く、使われていない病棟だった。怪談クラブが紐解く、病棟に潜む、姿なき存在の恐怖。
昭和戦後間もないの山間の村。民俗学の教授が、村に伝わる「牛鬼」を封印する社を開放する。牛鬼は姿を現し、村人たちは次々と犠牲になる。教授と村人たちが力を合わせ、牛鬼を退治するが、その代償は想像を超えたものだった。
怪談クラブがお届けする、罠にかかった狐を助けた青年猟師の物語。人間に化けた狐がもたらす恩返しは、本当に善意なのか、古くから伝わる「恩返し」にまつわる不気味な言い伝え。
元山岳救助隊員だった男性が、酒の席でぽつりと語った話。樹海で行方不明者の捜索にあたる彼が森の中で見たものとは...。怪談クラブがお届けする、樹海に潜む罠。
昭和の山奥。林業の作業中、不気味な「案山子」を目撃した私と仲間たち。その夜、山小屋の周りを回る不審な足音と、木を叩く音が響き始める。それは、山に潜む古き存在の、恐るべき徘徊だった。
都内某所の古い用水路を一人で点検していた私。水面からぬっと顔を出したのは、人の皮膚と魚の鱗が重なり合ったような異形だった。怪談クラブが暴く、都市の片隅に潜む、水底の記憶に囚われた怪異。
夜の東京、見慣れない路地から迷い込んだのは、白無垢の女が案内する奇妙な「神社」だった。そこで課せられた「三つの扉」の選択。怪談クラブが語る、都会の片隅に隠された、狐の通り道に迷い込んだ者の試練と恐怖。
人里離れた沢で渓流釣りをしていたKは、無音の空間で異様に巨大な怪鳥を目撃する。一度は逃げ帰るも、忘れ物を取りに戻った彼はそのまま姿を消した。怪談クラブが暴く、人を喰らう、山奥に潜む「怪鳥」の正体。