夜中のコンビニで、顔のない店員と遭遇した私。突然流れ始めた爆音のBGMに追い立てられるように店を飛び出すが、後日ネットで同様の目撃談が。怪談クラブが暴く、深夜のコンビニに潜む、日常を歪める恐怖。
キャンプで夜中にテントを叩く「誰か」。寒さを訴え、女子メンバーに似た声で「開けて」と懇願するその声に違和感を覚える。そして「ミユ」という知らない名前。朝になり、管理人の話で、そこは昔、行方不明者が出た山だと知る。
小学五年の遠足で、バスの点呼時に人数が一人多いという奇妙な現象が起こる。帰りのバスでは、窓に映る不気味な子供の姿と目が合い、その存在は日常にまで迫る。
人暮らしの大学生が実家から戻った夜、冷蔵庫の中に、昭和デザインの古い缶ジュースと、ニヤニヤ笑う女の生首を見つける。それは、見知らぬ者が家に侵入した証。怪談クラブが語る、最も安全なはずの自宅を侵食する恐怖。
地図アプリに突如現れた「見に行く家」のピン。好奇心から足を踏み入れた廃墟の一軒家で、生活の音、そして押し入れに潜む異形の老婆と遭遇する。怪談クラブが語る、訪れた者を二度と帰さない、招かれざる家の恐怖。
地図にない山中の古びた神社。手水舎の底から聞こえる囁きと金色の瞳に誘われ、無意識に「会いたい」と願ってしまった私。その願いは、異形の存在との前世からの因縁を呼び覚ます、境界を超えた呼び声だった。
友人が盲腸で入院した大部屋での出来事。消灯後、廊下から聞こえる「ギギギ」という重い引きずり音。病室に入り込み、ベッドの横に立つ「影」。囁かれる「かわって」の声が、今も彼を追い詰める。怪談クラブがお届けする病院の怪談。
潮が最も引く日だけ現れる「狭間道」――その先に立つ、顔のない子供たちに誘われ、失われた海の神社へと足を踏み入れた少年。果たして、彼は現世に戻れるのか。引き戻す祖父の声と、招き続ける子供たちの声が織りなす、哀しくも恐ろしい夏の記憶。怪談クラブがお届けする、海辺の禁忌。