まだガラケーが主流だった頃。俺はネットで「奇妙な生物」を飼育する日記を見つけた。声真似をし、目が数を増していくその生き物。ある日、サイトは更新を停止する。数年後、社会人になった俺の前に、あのサイトの生き物らしき異形が現れた。そして、俺自身の声で名前を呼ばれ…。
怪談クラブがお届けする、フリマで買った人形にまつわる奇妙な話。捨てても、燃やしても、なぜか手元に戻ってくる人形の正体とは……。
怪談クラブがお届けする、亡き祖母との感動的な再会が恐怖へと変わる怪談。初盆に帰ってきた祖母。しかし彼女は同じ言葉を繰り返す人形だった。
怪談クラブがお届けする、宇宙人を信じていた同級生の話。数年後、美しくなった彼女と再会するも、その言動の奇妙さから、成り代わられたことに気づく恐怖。
幼い頃から夢に繰り返し出てきた家。怪談クラブがお届けする、夢の中の風景が現実になった話。子供の頃から夢で見ていた家に足を踏み入れた時、私は恐ろしい真実に気づいた。
夏の休日、川遊びをしていた私と友人たち。ゲリラ豪雨の中、上流から流れてきた女の「助けて」という声。その女は、何度も同じ場所に現れ、ニヤニヤと笑いながら私たちを川へと誘う。
海水浴中、溺れている美女を助けたA。彼女は「水底から手を伸ばす」という怪談の通りだったが、その正体は、数日前に行方不明になっていた中年男性の幽霊だった。怪談クラブが紐解く、海に潜む、姿なき者の悲哀と恐怖。
職場の面倒見のいい先輩。しかしその親切は、やがて私を不気味な廃墟へと誘う罠だった。背後で笑う、びしょ濡れの女の影と、それを操る先輩。怪談クラブが紐解く、善意に隠された、身代わりを求める恐怖。
散歩中に拾った、汚れた一体の人形。私は胸の奥を掴まれるような感覚で持ち帰り、きれいにしてあげるが、それは人ならざるものが宿った人形だった。そして、捨てようとしても、それは再び私のもとへ戻ってくる。
電車の窓から見える古びた一軒家。それは、子供の頃の夢で何度も見た家だった。懐かしさに誘われ、その家を訪れた私を待っていたのは、幻覚のような母親の存在と、衝撃的な現実だった。
夜間外来の受付に現れた、付き添いの女性。彼女がトイレへ向かったきり戻ってこないことを不審に思った私は、その廊下が工事で閉鎖されていることを知る。やがて、その廊下の奥に立つ女性の姿が鏡に映り込み始める。
怪談クラブがお届けする、罠にかかった狐を助けた青年猟師の物語。人間に化けた狐がもたらす恩返しは、本当に善意なのか、古くから伝わる「恩返し」にまつわる不気味な言い伝え。