小学生の頃、家族のお気に入りだった海水浴場。ある夏、父不在の浜辺で、私たちはひときわ大きな「潮だまり」を見つける。そこには無数の魚が泳いでいたが、妹が手を伸ばした瞬間、水面に人の顔が浮かび上がる。
キャンプで夜中にテントを叩く「誰か」。寒さを訴え、女子メンバーに似た声で「開けて」と懇願するその声に違和感を覚える。そして「ミユ」という知らない名前。朝になり、管理人の話で、そこは昔、行方不明者が出た山だと知る。
夏休み、一人で風景写真を撮るため山奥の森へ入ったミオ。古びた鳥居を見つけシャッターを切った瞬間から、道はねじれ、同じ場所をループし始める。そして、自分そっくりの木彫りの像と、木の上から覗く顔だけの異形。
高校で囁かれる都市伝説。「18秒だけ通話すると呪われる番号」。好奇心から動画を撮りながらかけたクラスメイトのAは、不可解な現象に見舞われた後、姿を消す。彼の彼女が同じ番号にかけた時、電話の向こうから聞こえた声は…。
卒業制作で球体関節人形を制作する美大生・由佳。インスピレーションを求めて見つけた古いアルバムには、見知らぬ少女が写り込んでいた。その少女をモデルに人形を完成させた時から、怪異は始まり、やがて由佳自身もその人形に存在を乗っ取られていく。
療養のため戻った祖母の家。決して入るなと言われた二階の部屋で、私は一体の大きな雛人形を見つける。それは、姿を消した家族の顔を持ち、夜な夜な私に這い寄ってくる。怪談クラブが暴く、古き因習と、人形に囚われた魂の恐怖。
夏休みの肝試しで訪れた廃宗教施設。そこで出会った男女4人組に誘われ、一行は禁断の地下室へ。彼らは服が裏返しで、異様な気配を纏い、やがて全員を闇へと誘う。
築50年の古い団地で一人暮らしを始めた私。隣の部屋から聞こえるはずのない「家族」の声に疑問を抱く中、ある日、隣の家族の姿をついに捉える。
小学6年で転校した先で、Kは旧校舎の女子トイレに潜む「花子さん」の噂を聞く。好奇心から呼びかけた先に現れたのは...。怪談クラブが暴く、姿なき存在に囚われた少年の、終わりなき悪夢。
都内の築40年のマンションに、何年も埋まらない部屋があった。その304号室には「納戸に絶対に触れるな」という禁忌が。しかし、納戸から聞こえる「息遣い」と、そこに触れた住人に訪れる異変は、マンションに隠された恐怖の始まりだった。
同僚の三浦が転勤先で引っ越した家は、前住人が逃げ出した「空き家」だった。入居直後から異様な気配と夜中に廊下を這う音に苛まれる。誰もいないはずの家から感じられる不気味な視線とは。
大学の友人たちと行った廃病院での肝試し。手探りの暗闇で、恐怖から手をつないだ相手は、冷たく骨ばった、人間ではない「何か」だった。怪談クラブが暴く、遊びに潜む、姿なき存在との不気味な接触。