朝早い特急列車の最後尾に乗った主人公。隣に座った不気味な女の言葉と、窓の外に並走する“もう一つの車両”の存在に気づく。そこには口の裂けた自分そっくりの人間たちが映っており、列車は異界への入り口となる。
夏休み、久しぶりに帰省した実家。だが、そこには見覚えのない玄関マット、知らない人の写真、そして自分のものとは違うベッドが。家族の記憶も歪む中、私は「マナミ」という、もう一人の自分に存在を乗っ取られていく。
地図アプリに突如現れた「見に行く家」のピン。好奇心から足を踏み入れた廃墟の一軒家で、生活の音、そして押し入れに潜む異形の老婆と遭遇する。怪談クラブが語る、訪れた者を二度と帰さない、招かれざる家の恐怖。
中学校の理科室に伝わる「裏山に呼ばれる」という言い伝え。好奇心から古い標本棚を開けた生徒は、不可解な夢と身体の変化に蝕まれていく。怪談クラブが語る、学校に潜む、おぞましきコレクションの物語。
宅配ボックスのないマンションに現れた、制服も荷物もない「宅配」の女。監視カメラにも映らず、誰の記憶にも残らないその存在は、やがて主人公の部屋の前に現れ、恐怖の真実を告げる。
山奥の湖畔でのキャンプ。電波が入らないはずの古びたラジオから、突如不気味な声が聞こえ始めた。それは「山の神様がお待ちです」という、恐ろしい誘いの言葉。やがて、仲間の一人がその声に導かれ、姿を消していく。
地図にない山中の古びた神社。手水舎の底から聞こえる囁きと金色の瞳に誘われ、無意識に「会いたい」と願ってしまった私。その願いは、異形の存在との前世からの因縁を呼び覚ます、境界を超えた呼び声だった。
廃れた公園に立つ公衆電話で、幼い男の子が通じないはずの電話で話し、やがて私にもつながっていく。怪談クラブが紐解く、寂れた電話から始まる、悲しくも恐ろしい執着の物語
夏休みに帰省した田舎の村で、古道のお地蔵様が一つ消えていることに気づいた。その日から道は歪み、何かがおかしくなっていく。古道の伝承が紡ぐ、境界が曖昧になる物語。
中学の旧写真部室で見つけた、古びた井戸と不気味な影が写る一枚の写真。その日から、私を取り巻く奇妙な現象が始まり、やがて写真に写った「井戸の底」から何かが這い上がってくる。学校の怪談が、現実を侵食する。
大学図書館の「閉架」で見つけた、手書きの「赤い本」。そこに挟まれた奇妙な“しおり”を境に、夢に子供が現れ、やがて現実の友人をも蝕んでいく。怪談クラブがお届けする、本に潜む、静かに広がる呪いの物語。
大学の友人と訪れた山中の廃病院。謎の泣き声に誘われる中、友人が消え、枕元に古い懐中電灯が。その光は、闇に潜む無数の影と「おいで」と誘う声を示す。怪談クラブが贈る、廃墟に潜む光と闇の招待状。