深夜、終電間際の駅。疲れて駅に向かう俺の前に、見慣れない階段が現れた。何気なく降りた先は、見慣れた駅に「似た」異空間。不気味な乗客が乗る電車に乗り込もうとした時、謎の男に助けられるが…。
夜間警備員の俺が担当するオフィスビルで、深夜に14階の警報が鳴った。残業禁止のはずが、そこには卓上ランプの明かりの下、仕事をするサラリーマンの姿があった。声をかけると「すいません」と答えた男。だが、その背中に近づいた瞬間、男の首が胴体から外れて…。
まだガラケーが主流だった頃。俺はネットで「奇妙な生物」を飼育する日記を見つけた。声真似をし、目が数を増していくその生き物。ある日、サイトは更新を停止する。数年後、社会人になった俺の前に、あのサイトの生き物らしき異形が現れた。そして、俺自身の声で名前を呼ばれ…。
俺の親父も爺さんも漁師で、物心ついた時からずっと海と生きてきた。海で亡くなった人を見つけた時は、陸に上げて供養するのが漁師の務めだ。ある日、網にかかった水死体を揚げていると、その下からもう一つの異様な影がついてきて…。
子どもの頃、夏休みに友達と肝試しで地元の「鎮守の森」へ入った俺。そこで白い服を着た不気味な女の姿を目にする。必死に逃げる中、転んだ俺の耳元に囁かれた一言は…。数年後、あの森に伝わる恐ろしい言い伝えを聞き、背筋が凍りつく。
仕事で帰りが遅くなった夜、月明かりが綺麗な公園に立ち寄った私。ベンチに座ってぼんやりと影を眺めていると、木の影の中を高速で飛び回る「何か」を見つける。それは、目と口を縫い付けられた人間の生首だった…。
怪談クラブがお届けする、フリマで買った人形にまつわる奇妙な話。捨てても、燃やしても、なぜか手元に戻ってくる人形の正体とは……。
「入ってはいけない教室」と噂される、中学校の三階の教室。夜な夜な声が聞こえるというその部屋の鍵は、頑丈な南京錠で閉ざされていた。好奇心から近づいた私と友人。その時、カーテンの隙間から、逆さまにぶら下がった少女と目が合ってしまい…。
仕事帰り、誰もいない商店街で鳴り響く公衆電話。電話の向こうから聞こえてきたのは、亡くなった祖母の声だった。懐かしさに誘われ、近況を話す私。しかし、祖母の声は次第に不気味な音に変わり…。
市から委託され、古い下水道の点検作業をする俺と相棒。暗く湿った管の奥で、異様な人影と出会う。骨がないように体をくねらせ、壁に消えたその男。そして相棒は、マニュアルに書かれた衝撃の真実を語りだす…。
夏休み、山を越えた先に見つけたのは、懐かしくもどこか古風な村だった。親切な村人たちに招かれ、食事を勧められるが、とっさに断って帰宅。しかし祖父の口から、その村の恐ろしい正体が語られる…。
幼い頃、和室のタンスから顔が出てくるという奇妙な体験をしていた。当時の俺はそれを怖がるどころか、面白がっていたが、大人になってその記憶を思い出した時、本当の恐怖に気づく。